ありがとう
2012年 01月 08日シメは雑炊に限ります
独断ですが
鍋を預かる私の特権なので
異議は認められません
鍋の湯に
眼に見えないほどの
小さな粒子になって
溶け出した
蟹の
本当の味がします
ほぼ
その身は食いつくされて
姿形は見えないのに
食べたら
それは
紛れもなく
蟹雑炊でした
「見えなくなっても、ここにいるよ」
白い米粒
ひとつひとつに
蟹の伝言が
書かれています
その手紙は
黄色く
いかにも善良そうな
卵という
封筒に包まれて
読み解かれる時を待っています
今夜
我が家の
食卓は
独裁国家でありますが
カニの愛で満たされているのです
by soranosanngo
| 2012-01-08 22:13
| 詩
|
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