詩「彼岸花」

夫の転勤で引っ越しした奈良で
借りた家で
ある日
洗濯物を干そうとして
庭に出てみたら
たくさんの彼岸花が
なぜか横一列で
一斉に咲いていた

昨日まで
その片鱗さえなかったはずなのに
それはもう驚きを通り越して
恐怖に近かった

薄いカーテン越しにのぞいてみると
あの赤もまた私をのぞいている

花なのに葉がないのも怖い
複雑な花の成り立ちが
永遠に解けそうもない
迷路のようで

すっくと立っているさまは
まるで人のようでもあり

彼岸花の花詞は
「再会」だという
あの日彼らは
私に再会するために
過去から来てくれたのだろうか
あなたのことを覚えてさえいない私をたずねて

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Commented by 春日 at 2016-09-24 18:29 x
彼岸花…に因んで短歌一首です、


草刈りを終えた堤の斜面には
彼岸知らせる花が群がる
Commented by soranosanngo at 2016-09-25 14:06
彼岸花って不思議ですね。
まるで彼岸の頃を知っているみたいに正確ですよね。
春日さん、素敵な歌をありがとうございました。
そらの珊瑚
by soranosanngo | 2016-09-22 12:19 | | Comments(2)