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読書ノート「女學生奇譚」川瀬七緒

 ホラーかなと思いつつ読んだら、そういう描写はなくて最後まで読めた。
 久しぶりに読んだエンタメミステリー?系小説だったけれど、いろんな謎が明かされていく面白さであっという間に読んでしまった。
 作中作の昭和初期に書かれた吉屋信子みたいな小説と平行して現代のお話は進む。
 太い縦糸が数本あって、それに張り巡らされた横糸。
 それがちゃんと模様になっていく感覚。なるほど、そういうことかっていう感じ。
 お嬢様のゆくえは? それはラストで明かされるのだが、なんとなく想像してたもののひとつだったので、そんなに驚かなかった嫌な読者です(笑)
(ちなみにやけに丹念に描かれている美味しそうな高級料理の数々はその伏線だと思われます)
 時代は変わっても人間はやっぱりオソロシイ生き物だけど、主な登場人物のキャラクターに救われるお話でもありました。

 ちなみに一番怖かったのは、お話に中で「まりも」をペットにしているというところ。
超個人的でごめんなさい。でも読書の醍醐味のひとつに、その超個人的なところが作者、もしくは作品とリンクしてしまう、ってところかなとも思ったりする。
 最近「まりも」という名前の登場人物で小説を書こうと思っていた私にとって、このシンクロはかなりぞぞっとするものでした。
やっぱりホラーだ! 超個人的なくくりで。(笑)

 10月6日読了。
 

by soranosanngo | 2016-10-07 08:17 | 読書ノート | Comments(0)