詩「四葉のクローバー、四角い空」

小さな噴水
白いビーナス像
ささやかな花壇
校舎に囲まれた中庭に
いつのまにかあらわれた
クローバーの群生

昼休みに
わたしたちは語らいをやめて
四葉さがしに夢中になった
幸せになるお守り
けれど
それが見つかったのかどうか
記憶の底をさらっても
答は残されていなかった
あの頃は知らなかった
すでに
わたしたちは幸せのただなかにいて
これから別れていく三叉路で
やわらかな手を感じ合っていた
ともすれば
押し寄せてくる不安を
つないだ体温で気化させて
見上げれば
四角く区切られた
真昼の蒼空があったことだけを
鮮やかに覚えている



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by soranosanngo | 2017-01-10 08:06 | Comments(0)