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詩「窓の中の猫」

白い窓枠
爪痕は
ところどころささくれて
潮風にふくらむ生き物のようなレエスのカーテン

わたしはここよ
猫の首にくくられた鈴が鳴る
ねこ?
そう、猫よ
ずっと昔失った猫が
その部屋にまだいる
風の通り道
一番涼しいところに

失われていくばかりの世界で
失われてはいないものがある
あの窓の中で
確かな鈴が鳴っている


by soranosanngo | 2017-07-13 15:17 | Comments(0)