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詩「さいはてのバス停」

秋の横顔は
暮れる空を向き
旅立ってゆく鳥の影を
ただ見送っている
あなたも早くお行きなさい
手遅れにならないうちに、と

バスは来た
回送だった
けれどいったいどこへ戻るというのだろう
今日という時間は戻らない
この秋が戻らないように
手にしたスーツケースは
冷気を吸っていよいよ重く
明日は気が遠くなるほど遠い
ほほをふくらませた赤栗鼠が
つかのま私を見て飛び去った
ふさふさとした尻尾の残像は
つかまえられない今に似ている
いずれここも
錆びれた時刻表も手遅れになって
闇の沼になる
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by soranosanngo | 2017-11-16 11:14 | | Comments(0)