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「リバース」湊かなえ

湊かなえさんらしく、とても後味の悪い、救いのない小説だと思った。

謎解き要素もありつつ、犯人は誰なんだろうと読みすすめていけば、やけに珈琲とはちみつにこだわるなあと思ったら……ラスト1ページに、見事に全てがひっくり返る。(ある意味、読者への最大のサービス?)
ああ、だから「リバース」なんだ。
オセロでいうなら、最後の一手で、すべてことごとく黒一色にひっくり返された感じ。
巨人の星でいうならば、星一徹がちゃぶ台をひっくり返し、夕食が台無しにるような(笑い)
アニメなら、そのあとお姉さんがぶちまけられた茶碗を片付け、飛雄馬のフォローもしてくれるのだろうけど、この小説にはそんな優しい人はいない。
このあと主人公はどうやって明らかにされた真実に向かいあって生きていくのだろうと思うと、なんだか気持ちがくら~くなる。

「自分と同じ色の人間」もしお互いにそう感じたら、ほんとの友達になれそうだし、異性であったら恋人になりたいと思うだろう。そこから友情や愛が産まれることもあるだろう。
(だけど本当に同じ色の人間など存在してはいない気がする)
そう思いたい気持ち。それは人間が人間であるがゆえのものかもしれない。だって人間は一人では生きていけない生物だと思うから。
思春期に、上手に群れることの出来なかった記憶は私にも覚えがある。
だから主人公が自分のさえない色について悩みながら成長してきたという内容についてはとても共感した。

もう一箇所心に残ったことは、人間っていくら反省したって、喉元すぎれば熱さを(罪を)忘れてしまう人が多いのではないかということ。
主人公の仲間の一人は事件をきっかけに断酒していたのに、数年後、酒を飲んでしまう。
(それがある新たな事件のきっかけになってしまう)
「雪女」で、雪女のことをしゃべってはいけないという約束を男がやぶってしまったのは、日常という時間の中で、やはり同じように喉元過ぎれば、だったのではないだろうか?

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by soranosanngo | 2015-07-15 12:21 | 読書ノート | Comments(0)

7月のまひる

青空のない
空の下
出来る影は
どこかうすく
どこか心もとなく

こどもみたいに
スキップしても
ちっともさまにならなくて
そう、地と共鳴していないかんじ
さみしいって言葉を知ってしまったから
もうそこへは帰れないんだ
白い運動靴でも

いつのまにわたし
大人になったのだろうか
いつのまにあなたも
大人になったのだろうか

境界線に咲く
ヒメジョオンの群生が
ささやかに揺れながら
わたしたちを見ている


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by soranosanngo | 2015-07-03 15:30 | | Comments(0)