詩「花時計」

はなびらがひとつほころぶたびに
時が刻まれて
そうしてこの小高い丘に
時があふれかえっている

頂まで続く低い階段は優しくて
いつかわたしたちは
数えるのを忘れていた

たくさん雨が降る日は
ここは勢いにまかせた激しい川になり
なにもかも流してしまったことだろう

けれど今
ふたたび小さな花を宿している
路々に顔を出したすみれにによく似た紫の花
戯れながら着地するモンキチョウ

残るものもあったのだ
やってくるものもあったのだ

いつのまに娘はわたしの背丈を超え
空に近いぶん
まぶしい

太い幹から芽吹いた蕾が
今という時の愛おしさでふくらんでいる
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# by soranosanngo | 2017-04-10 08:35 | | Comments(0)