うわばみの中の象

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ゆるゆると解凍されて泳ぎ出す初夏のひざしに冷凍金魚

てのひらに埋め込まれた鉛筆の種 いつまで待っても芽が出ませんが

捨てました古い日記も捨てましたあとかたもなくみじん切りして

虎猫と眺める空にやる気ないメザシのようなこいのぼり

マジシャンの流れるような手の動き重力さえも手玉にされる

かもめ橋午前零時に猫たちの集会ありますご参加ください

人肌に溶けていくのはわだかまりバターソースにキャラメル添えて

満たされて膨らみきったかなしみを抱えて笑う古い掃除機

アボカドにくるぶしのような種ひとつ ふたつそろえば人間になる

階段をひとつとばしで駆け上がるように恋したいつかの私

散る桜ひとつひとつにメッセージNR NR No Return
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Commented by 朝倉 瑠璃 at 2012-05-04 23:46 x
おじゃまします。

てのひらに……わたし九歳位の時に突き刺した鉛筆の跡が右手に透けて見えます。

虎猫とながめる人、虎猫の思いと人の思い微妙に違うところがアイロニーを感じます。虎猫は空に浮かぶメザシ食べたいでしょうね。

冷凍金魚。こんなのあったらいいですね。水中花みたい。お風呂場で遊ぶ金魚のおもちゃ、好きでした。

写真きれいですね。珊瑚さんの育てたお花かしら。
Commented by soranosanngo at 2012-05-11 08:20
瑠璃さん、ご訪問ありがとうございます♪

実はわたしも右手に鉛筆を刺したあとがあります。
一緒ですね。

虎猫のうたに出てくる鯉のぼりは、個人のお宅にあるような飾り方のそれではなくて、川にロープを渡して、それにぶら下げてあるのを思い出して出てきたうたです。

金魚を冷凍したことはないのですが、冷凍しても、金魚は死なないと、どこかで聞いたことがあります。

写真は昨年植えた金魚草です。暖かくなってきたら、また花をつけました。こぼれ種で次々と増えていくようで、丈夫な花です。

ありがとうございました。
by soranosanngo | 2012-05-04 16:21 | 現代短歌 | Comments(2)