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「わたしの愛する孤独」メイ・サートン 落合恵子・訳

詩人であるメイ・サートンの
「The world of light……Portrait of May Sarton」というフィルムをもとにして作られてた本。

彼女の肉声。それは詩作のヒントというべきようなものが含まれていたように思う。(以下※は引用)

※自分にとって中心となるもの決して明け渡さないこと。

※潜在意識が意識へと、どっとなだれ込んでくる……それが孤独の歓迎すべきところです。

※詩は自分自身と、そしてたぶん神のために書くのです。

※個人的なことをより深く掘り下げていくと、人はより普遍的になっていく。

いくつかの詩も紹介されている。
そのなかで一番いいなあと思った詩もあげておきたい。

『観察』

ほんとうの庭師は手袋をはめない
確かな手触りと 柔らかな根の間を 手袋でさえぎってはならない
その手は働きもので 節くれだっていなければならない
荒っぽく 地面の下を 石と若芽の間を探り
隠された実を 傷つけ 傷めることのないように
こうして わたしは
母の手が傷だらけになっていくのを見た
傷ついた植物や友を同じ傷つきやすさをもった しかし厳しい愛で癒すことのできる手
母の美しさが 節くれだっていくのを悲しんだこともあったけれど
けれどいま
母の真実は わたしの生のなかで生きつづけている
強くあらねばならないと わたし自身も学んだのだから
傷つきやすいもののただなかで
みずからも傷つきやすいその手を開き働かせ
最後の最後の瞬間まで 鋭い感覚を保ちつづけなければならないこと
たくましさをもって 穏やかな世界を作らなければならないこと を

この詩のなかに私も母を見た。
多くの母が居るであろうことを思った。
普遍があると思った。

自分の手をしげしげと見る。ああ、まだまだです、おかあさん。


2014.5.13.読了
by soranosanngo | 2014-05-14 17:39 | 読書ノート | Comments(0)