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まつげに盛られたファンタジー或いはモナリザ

ふと、なぜまつげは頭髪にように伸びていかないのだろうかという疑問が沸く。
すべての生き様にもし理由があるのなら、ほこりやゴミから瞳を守るためだけならある程度の長さで事足りるということなのだろうか。
瞳あってのまつげ。
いや、まつげあっての瞳なのかもしれない。
人間が二本足で歩く理由、しっぽを失った理由、産まれてそして死んでいく理由のほんとうは知らないけれど、それらはおそらく命につながっていることを思えば、とても愛おしい。

つけまつげはこのところ、ものすごい進化を遂げていて(ハロウィンには蜘蛛の巣模様とか)私はやらないけど、面白いなあと思う。
8月も今日で終わり。
昨晩から雨で、あんまりの肌寒さに、今日がまだ8月だったことに驚いてしまう。


 まつげに
 かつてマッチ三本載せてみせた
 少女は
 そこへ
 蒲萄をたわわに実らせました

 おとぎ話はむしろ
 完結してからにほうが
 真実だったりする

 まばたきのたびに
 転がり落ちた果実は
 粉々になって
 肌の上にふり
 つもる

 やがて季節が過ぎ
 流線型のつるだけが
 あっけなく
 女の瞳に取り残されたが
 戦火を逃れてたどりついた
 透明な箱から
 まっすぐに
 今
 私の中の私を見ている

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by soranosanngo | 2015-08-31 11:11 | 珊瑚の気まま日記 | Comments(0)