詩「遠い島までの数千マイル」

腕が棒になる
それとも棒を腕としていたのか
いずれにしても
棒であるから
(気づいてしまったから)
もう水をかくことが出来ない

かくことを
あきらめてしまえば
あっけなく浮く
人はそういうふうに
出来ていると
教えてくれたのは
誰だったか
おそらくは
優しい人ではなかったか
優しい人の輪郭は
光にふちどられていて
たどってゆく記憶の淵から消えかかっている

いずれにしても
空があまりにまぶしいので
眼をあけていられない
深い深い海を背にして
あきらめた先にも
あきらめがある
そうして
波に進路をゆだね
明日
知らない島に打ち上げられる
人形になろう、とおもいます
by soranosanngo | 2016-05-27 14:13 | | Comments(0)