詩「小さな切符は人を旅してる気持ちにさせる」

わたしは今新幹線に乗っていて
おそらくそれは手軽に乗れるものの中で
とても速い性能だから
いろんな山や川や人の住む街を
あっというまに通り過ぎているのだけど
実感がないのはどうしたわけだろう
遠くの雨雲なんかは動いてさえいない気がする
ただ座ってときおり眠ったりしているだけなのだ
走っている唯一の実感といえば
開かない仕組みの窓ガラスに
ぶつかっては砕けてゆく
雨のしずくたちが
うしろへうしろへと流れてゆくこと
時の流れの中にいて
この手で
この眼で
つかまえられることのなんて少ないことだろう

トンネルを過ぎたら
晴れているといいな
できるものなら
梅雨なんかも開けていて
失くしてしまった切符のいいわけを
思いつくかもしれない
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by soranosanngo | 2016-06-15 18:18 | | Comments(0)