詩「私がいつか眠るところは」

祝日の夕刻
なぜだか墓の話になった
娘が
「母さん、死んだらあの墓に入るの?」と訊く
あの墓とは
小高い山の中腹にあり
細い道には車は入れない
人ひとり通るのがやっとで
いつだったか犬を連れていったが
その犬さえも足を踏み外して
首のリードであやうく首をつりそうになった
あの墓のことである

亡くなった義父が建てた
新しい墓と墓誌と
私が嫁いだ家の祖先の方々が眠っている
苔むしたいかにも古い墓が並んでいる

もう山で農作業をする人もなく
生い茂った木々で
昔は見えていたという瀬戸内の海は
ほとんど見ることが出来ない
昼でも薄暗い空間にある

道々鎌で
棘を生やした野いばらを刈ってゆくが
また来る時は元通りになっていることだろう

「そういうことになるね。気が重いけれど」
そう云いながら
墓の下にいるものはただの骨じゃないかとも思う
それならば
私の実態は一体どこへゆくのだろう
「だったら離婚する? でも死んだあとのことなんて、どうでもいいじゃない」
娘が笑う
16歳にとって死とは遠い世界のことなのだろう

かつて私がそうだったように






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by soranosanngo | 2016-09-23 10:42 | | Comments(0)