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私はとても小心者なので
未だに「高校に遅刻しそう」な夢を見てしまう
電車通学をしていたのだが
起きる場面から既に電車に間に合わないことはほぼ確定していて
あわてふためいて家を出て猛ダッシュする
駅の手前には五十段もある階段があって
それも一段とばしに駆け上がる
改札を抜ける
発車のベルは鳴り渡り
また階段
あと一歩というところ
私の眼の前で電車のドアは閉まってしまう

この夢を見て目覚めると決まって
胸の動悸は早くうっすら汗までかいている始末
どうやら心と体はつながっているらしい
「間に合わない」ケースは他にもいろいろあって
その都度これは夢だなんて夢にも思わないであせるのだ

それなら時間を逆算して間に合うように準備すればいいのに
それがなぜだか出来ない
美容院の予約時間にも遅刻する始末

切りたての髪は空気を含んで軽く
ちょっと短めの前髪にはまだ慣れないくて
鏡に映る自分はよその人みたいだ

きっとこれからも間に合わない恐怖にあせりながら
同じような夢を見るんだろう
夢は不毛なことがらのひとつだと知る
だって
間に合わないことに間に合ったことがない


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by soranosanngo | 2018-04-23 11:33 | | Comments(2)

詩「あ、い」

ひらがな、が落ちてくるように

雪が降ってくる

地上にたどり着いた雪は

みずから境界線をなくし

透明な水に戻り

土の中で眠る

春に

それらは芽吹き

ぬかるんだ田んぼで

こどもたちが

泥だらけの

あ、をひろう

い、をひろう

ひろいあつめて

無邪気に積み上げる

柔らかな曲線で描かれた文字は

互いに絡み合い

空を目指す

風に

あ、は飛ばされて

い、も飛ばされて

或いは鳥に啄まれて

行方知れずになる

そしてふたたび

凍てついた季節に

手のひらにとまった雪がある

人という生き物の体温で

あっけなく溶ける仕組みの雪は

やはり

あ、い、の

種だと思うのです


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by soranosanngo | 2018-04-17 12:11 | Comments(0)